仕事一筋の父親が突然、退職。寡黙な父親とコミュニケーションをとりたいと、息子であることを隠しオンラインゲーム上で交流を深める。
父親と息子の「和解」がテーマだが、その方法が画期的。しかし、これが実話だというから驚かされる。
近くて遠い存在である親子。一旦、疎遠や険悪になると、修復は難しい。お互い「近づきたい」と思いながらも、なかなかそれが実行できない。
先日の学会で、ロボットを通して自閉症患者と会話すると、直接聞けないことも質問できるし、患者も「文字入力」だと答えやすい、話が出ていた。
オンラインゲーム、つまりインターネットの世界だからこそ、「現実では言葉にできないことが言える」ということは、間違いなくあるだろう。
ゲームというのは、悪い部分ばかりが注目されるが、オンラインゲームならではの魅力がうまく描かれている。
ゲーム映像の部分は圧倒的に美しく、ゲームの良い宣伝になっている。吉田鋼太郎と坂口健太郎の親子役が、実にはまっている。「こんな頑固親父いるよね」と思わせるリアリティ。コワモテの吉田だからこそ、随所に笑いが出てしまうのだ。
＃ もっと素直になればよいのに
＃ 人生に「楽しみ」を見つけることの大切さ
＃ いかにコミュニケーションを深めるのか？
＃ ゲーム（遊び）からの学び
など、考えさせられるマがいくつも含まれている。
ゲーム世界を映画の中に取り込むという発想はユニークで、映像も美しい。随所に笑いもあり、ラストは泣かずにはいられない。エンタメとしてよくできた映画だと思う。
