五月一日、ヨルダンのシリア難民キャンプを視察しました。600数十万の人口の7割がパレスチナ難民のヨルダンに三十数万人のシリアからの難民がなだれ込んでいます。トルコ、イラクなどの周辺国へすでに百万人超が流出。うち17万人を収容しているのがザアタリキャンプです。 17万人の町は日本でも中位の街としてザラにありますが、東日本大震災の時と同じで、一気に仮設の町を作るのは容易ではない。さらに毎日数千人単位で増え続けているため、水、食料、電力などの供給が追いつきません。UNHCRを中心とした国際機関、各国NGOが対応に苦心中。 ただし、商売上手で名高いシリア人のこと。キャンプの中に銀座通りならぬ商店街ができつつあります。粗末なバラックですが、商品の展示など工夫をこらしています。これから必要と思われる扇風機も並んでいる。どこから調達するのか。支援物資の横流しもあるのだろう。シリア人以上に、日本の若者もたくましい。難民支援にあたるNGOの代表者三名と会い、現場のニーズなどを伺った。皆これまで生保や外資の企業で働いていたのを辞めて、NGOに参加したとのこと。給与は3分の1に減ったが、やりがいは数倍大きいとのこと。全員、修士修了。新しい日本を見た思い。 新たな動きは湾岸諸国が次々と独自のキャンプを新設していること。UAEが出資、運営するハラバートキャンプも視察。真新しいコンテナ式仮設が整然と並び、数ヶ月内に2.5万人を受け入れ予定。現時点で約千人が暮らす。浄水施設、完全給食、娯楽施設、学校などが完備。良すぎるのが問題か。
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